毎年のことだが9月1日の防災の日にNHK で地震関係の特集が組まれている。昨年は東海、東南海、南海の三連動地震だったが、今年は東京直下型地震に関する特集で、今までの災害想定では軽視あるいは考慮されていないことが取り上げられていた。建築基準法は1971年と1981年に2回大改正されているが、一般的には81年基準以前に建てられた建築物は危険があると言われている。もちろんそれ以前の建築物でも余裕を持って建てられている物も多いので一概に危険とは言えない。
特集の中では1973年に建てられたマンションに耐震補強が必要になっているが(1階がピロティ形式)、補強には一戸あたり数十万円ぐらいかかるので反対する住民も多いという。誰でも費用の負担は嫌だろうが、耐震診断から震度6強以上で大破確実という結果が出ていて、直下型地震がいつ来るのかわからない以上、現実的な対応が必要である。地震が来れば死亡するか、あるいは大破して立て直すとなると一戸あたり数千万円は必要になるだろう。最近では低コストで耐震補強も出来るので費用を高くすれば良いというものではないが、目先の数十万円を惜しんで、将来の数千万円を損することのないようにしたい。もしローンなどが残っていれば最悪二重ローンにも成りかねない。
震度6強以上が来た場合には住み続けるにしても、それなりの修復費用が必要になる。阪神大震災の資料などを見ると全壊したビルの隣のビルはほとんど無傷だったということもあった(その差は何か?地盤ではない)。耐震補強は怪しげなリフォームとは本質的に異なる。