2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧
前回は Linux 上で Parallel Python を試したが、Windows 上でも出来るらしいので、試してみた。結果から言えば Python のダウンロードから並列計算までほんの数分で完了した。試したのは Windows XP Pro. SP2(32bit) の環境になる。 1: Python Windows 版の…
Parallel Python を使うと Python から簡単にジョブ並列(タスク並列)を行うことができる。以下のような環境で使用することができる。Linux マシン(クラスタ)で試したみたところ、確かに簡単に出来た。 1: SMP(マルチコアも含む)のマシンで並列計算 2: クラ…
ブルーバックスに宇宙 300 の大疑問という本があって、専門家が非専門家(普通の素人も含めて)が抱きそうな疑問(二つのブラックホールが衝突したらどうなるか?など)と答えが掲載されている。本来、専門家というのは一見馬鹿馬鹿しく見える素人の質問にも…
下界の定式化だが、添付の図の (5.9) のように定式化したら良い。これを定式化(A)としよう。(5.8) から (5.9) に変換してくるときに、C_ij が対称行列なので x_i^2 = 1/4 になっている。ここで x_i^2 = 1 として、行列 B の要素をすべて 1/4 にしても(つまり…
レポートで提出した問題で、このグラフのグラフ分割問題の上界(全列挙でも、メタ解法でもよい)と下界(SDP 緩和)を求めるというもの。簡単なようだが、今まで一度も最適化問題やソフトウェアに触れたことがない人には結構大変なようだ。上界はすぐにわかる…
NHK などは当然ながら昔から現在に至るまで日本各地の映像を大量に所有している。数年前に NHK 総合の深夜枠で例えば 70 年代の事件や風景などを当時ヒットした曲を BGM にして放送していたが、NHK が持つ 1945 年から 1980 年までの東京風景の映像が DVD に…
日本でも博士課程の学費を免除する大学が少しずつ現われてきているが、博士課程の学費はあまり高くはないので、それだけでは魅力に乏しいのではないかという意見がある。GCOE(グローバル COE)を取った大学では学生に教育に関する仕事を担当してもらう代わり…
GotoBLAS 1.22 から Cell 正式対応になっている。Cell(PS3 上)において、GotoBLAS 1.22 以前では ppc970mpp として make を行っていたが、1.22 では普通に quickbuild.64bit で作成できるようになった。 1: SDPA 7.0.5 rev3 + LAPACK(BLAS) 3.1.1 2: SDPA 7.…
gcc 4.3 以降では以下のように -mcpu=cell を使用することができる。 CFLAGS="-O2 -pipe -mcpu=cell -mabi=altivec" gcc 4.3 は正式版がまだリリースされていないので、以下の開発版を用いる。 gcc version 4.3.0 20080111 (experimental) (GCC) gcc 4.1.2 …
SDPA 7 の方はマニュアル類が完成次第、すぐに公開ということになっているが、SDPA 6 以前ではコマンドラインでの実行だけでなく、Callable library も備えている。ただし Callable library の機能を加えるためには、新たな関数を用意するなどソースをかなり…
GPS で位置を測位するためには、緯度、経度、高さの三つの要素が特定できれば良いので、三つの衛星が見えれば(電波が受信できれば)十分と思いこんでいたのだが、実際には GPS 受信機と GPS 衛星がそれぞれ内蔵している時計には時間差がある。GPS 衛星の方…
一昔前に Crusoe という CPU が少しだけ流行った。Crusoe はトランスメタが開発したx86互換マイクロプロセッサであって、低消費電力が認められローエンドのノートパソコンに採用された。個人的にも Crusoe 搭載のシャープのメビウスノート(PC-MW1-H1W)を持っ…
前回の続きで簡単な実験を行ってみる。環境は SDPA 7.0.5 + pthread , CPU : Intel Xeon E5345(2.33GHz : 4コア×2CPU), OS : CentOS Ver.5 , GotoBLAS 1.20 である。 1: 並列化の効果が見えやすい問題 : D256.dat (GotoBLAS は 1スレッドで動作) 1スレッ…
SDP に対する主双対内点法では、Shur complement 行列の全要素の計算と、この行列の Cholesky 分解という二大ボトルネックがある。特に前者のボトルネックは上手に計算すると隠蔽することができる。ただし、いろいろ工夫しても結局、行列積の計算は必要にな…
定期的に地震について扱っている科学雑誌のニュートンムックの別冊で"連動して発生する巨大地震"が発売された。中身を見ると過去のニュートンの特集などを再構成して掲載されている。過去のムックも何冊か持っているので、必要ないかと思ったが結構新しい内…
以下の fixstars のページにもあるように、PS3 でシステムソフトウェア 2.1 にアップデートしてしまうと、インストールした Linux が起動しなくなった。仕方がないので、以下のように最新の ADDON CD を用いてブートローダーを再インストールした。ついでに …
数年前だが、クラスタ計算機について業者の方と検討しているときに、クラスタ計算機のサーバに GPS 受信機を付けたらどうですかと言われた。クラスタ計算機は動かないのに何に使うかと思ったら、GPS 衛星には極めて精度の高い原子時計を内蔵されているので、…
NHK で2話連続で新型インフルエンザの特集をやっていた。実際に世界的なパンデミックが発生した場合には人間の文明社会がどうような事態に襲われていくかについては、NHK のドラマでも取り上げられていた。実際には想像が付きにくいかもしれないが、小説”復…
高速化のためにデータ構造を変更している SDPA 7.0.5.rev を用いて、gcc(g++)のコンパイラオプションと実行速度の関係を調べてみた。以前 GMP(任意精度ライブラリ)では、あまり多くのオプションを付けると明らかに速度が落ちた。マシンは Intel Core2(E6600 …
図書館の前ですれ違った人が、OpenMP の本を借りていった(Fortran 用)。意外と身近にも使っている人がいるのだと思ったが、以前は対応したコンパイラも少なかったし、SMP と言っても安いものでは 2CPU ぐらいだったので、OpenMP 関連の研究をしている人は別…
いろいろな雑誌で Penryn と Phenom のベンチマーク対決の記事が多い。でもお決まりのベンチマークだけだと良くわからないことも多いので、実際に SDPA などのアプリケーションを実行して比べてみたい。こちらには新しい AMD 系の CPU が無いので、比べられ…
最近は首都圏で高速道路を走っていても、多種多様な割引(時間や区間など)があって、入口で割引になったり、出口で突然払い戻しが生じたりする。カーナビがこのような ETC 割引に対応しているわけではないので、適当に運転していて何かの ETC 割引に引っ掛…
GLPKの最新バージョンは 4.25 になっている。ここ半年ぐらいで頻繁にバージョンアップを繰り返していた。このような数理計画ソフトが GNU ライセンスで使用できるのは非常に好ましい。 半年ぐらい前の GLPK 4.16 と GLPK 4.25 を比較してみる。ついでに gcc …
東欧のある国の研究者の方から、QAP(二次割当問題)に対する Tabu Search(実際には Life Span Method) のプログラムが欲しいという連絡をもらった。論文を検索して辿ってきたと思われる。実際にプログラムを作ったのは 92 年ごろで、ここ10年以上中身を変…
薬学の知識はほとんど無いが、理工系の論文はどれも論理構成や実験評価方法が似ているので、薬学系の論文もある程度は理解できる。以前どこかの学会で分子標的薬(抗がん剤)の話を聞いたことがある。これはコンピュータ系の学会だったが、がんを引き起こす…
年末年始で様々な慣習や作法がわからず少し調べたりしたが、こんな本が出ているのも社会全体でしきたりがわからなくなっている証拠でもある。さらに初版発行は大変古い本だが昭和45年ぐらいに冠婚葬祭入門という本がベストセーラになった。今からさかのぼ…
Vista が振るわないこともあって、自分で OS を選んでいる人(つまり好き嫌いで)だけで統計を取ると Vista, Mac OS X, Linux(特に Ubuntu)の採用数は同じくらいではないかという話を聞いた。Slackware → Debian → Vine → Kondara → RedHat(ダウンロード版) → …
SDPA Ver.7 の方は一応 7.0.5 で固定ということになり、マニュアルの作成を含めて公開準備が進んでいる。それとは別にアルゴリズムにはほとんど変更を加えないで高速化を目指す改造作業が進んでいる。 当面の作業内容としてはデータの流れやメモリアクセスの…
今年はちょっとした規模?(10数台)ぐらいでクラスタ計算機を作れば、少なくてもピーク性能では簡単に 1TFlops を超えるようになるだろうし、Linpack などのベンチマークでも 1TFlops 超えはそんなに難しくなくなるだろう(昨年もクアッドコア 4台で Linpa…
2008 年はどんな CPU が出てくるのかと期待してしまうのだが、ほぼロードマップ通りであれば、2008年後半には Intel からコード名 Nehalem(ネハーレムが出てくるだろう)。日経 WinPC を見ていると新年2月号の特集で新世代 CPU 対決 Penryn vs. Phenom が掲…