大規模最適化問題、グラフ探索、機械学習やデジタルツインなど

旧名:最適化問題に対する超高速&安定計算

2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

グラフ分割問題に対する SDP 緩和と SDPA-GMP

応用に役立つ50の最適化問題の 5.4 章(グラフ分割問題に対する SDP 緩和問題)において SDP 緩和問題を SDPA-GMP を用いて解いているが、SDPA ではダメなのか?という質問があった。この問題では SDPA を用いても別に問題は無いと思われるが、以下のように…

スーパーコンピュータで最短路検索

中高生の方向けに以下の企画を考えてみました(今年の8月に予定)。コンピュータや数学の応用に興味のある方であれば、多分中学生でも大丈夫だと思います。というよりも公開セミナーに参加してくる中高生の方が、並の理工系大学生よりもやる気、能力、知識…

Fedora 12 と VMware Player 3.01

VMware Player の 3.0.1 がリリースされたが、やはり Fedora 12 上では以前と同じような現象が発生するようなので、以下のように設定した。理由は良くわからないが、これで一応正常に VMware Player が動作しているようだ。 1: yum install gcc kernel-devel…

地震とマンション

地震とマンションという本が2000年に出版された。また改めて読み返してみたのだが、絶版になったのが大変惜しい本である(中古品は簡単に入手可能)。一方 2006 年に出版された本でマンションの地震対策という本があるが、こちらの中では前述の地震とマ…

高校数学

入試の採点を行うときに、まず自分でも解いたみたが、合格点を取るのではなく、模範解答(つまり満点の解答)を作るのは大変難しい。予備校などが出している解答も必ずしも満点ではないらしい(特に証明に関して)。また、解き方が高校数学の範囲を超えてい…

Windows 7 Ultimate 64bit とノートパソコン

CPU が Atom では非力すぎるので、少し性能が上の Celeron T1700(1.83G) 搭載のノートパソコンを購入したら、Windows 7 Ultimate 64bit がインストールされていた。DSP 版でも 22,280 円ぐらいはするので、ノートパソコンの価格が 69,107 円であることを考え…

ソフトウェアは既存のものを使っただけです

現在審査している論文を始めとして、最適化問題の定義 → 定式化 → ソフトウェアの結果 → 考察というパターンを良く見かけるのだが、いくら自分でソフトウェアを作らないからとは言っても、これはちょっと悪いパターンだ。別の論文を見ると、少し良くはなって…

Handbook of Semidefinite Programming の続編

Handbook of Semidefinite Programming という 2000 年に発行された半正定値計画問題(SDP)のハンドブックがあり、SDP の世界では非常に有名な書籍になっている。ゼミ等で使用している研究室も多いだろう。ただし、すでに発行から10年が経過して古くなって…

yum で落ちる Nehalem-EP マシン

以下の Nehalem-EP 搭載の PowerEdge R710 だが、最近 OS が落ちまくっている。yum コマンドでディスクアクセスを行うときに落ちる確率が高い。以前はこのような現象は無かったのだが、思い当たる原因?としては、BIOS で VT 機能を ON にしたぐらいしかない…

SCOPE 2009年度 第5回研究会

開催が一週間後に迫りましたので、再掲載します。大勢の方の参加をお待ちしております。夜はいつものように懇親会も予定しています。また、正式決定ではないですが、今年の SCOPE つくば合宿は例年よりも1ヶ月程度遅くなりまして、6月26、27日の予定で…

Pthread v.s. OpenMP その2

昨日の実験を他のマシンでも行ってみたが、現在の実装方法では基本的に以下の通り。 1: gcc 4.1.2 と 4.4.3 では性能差はほとんどない 2: Pthread と OpenMP の性能差はあまり大きくない 3: インテルコンパイラは gcc よりも性能が高い(Pthread でも OpenMP …

Pthread v.s. OpenMP

プログラムをマルチスレッド化するときに、Pthread を使うか、OpenMP を使うか迷うところで、OpemMP を用いると簡単にマルチスレッド化できるが、細かい制御があまり出来ないようなイメージがある。しかし、Pthread 風に thread function を作っておいて、そ…

クラウド関係のセミナー

クラウド関係のセミナーの案内が幾つか来ましたので、紹介しておきます。 AMD Opteron(TM) プロセッサではじめる仮想化・クラウド」セミナー https://reg.amd.jp/public/seminar/view/48 事例とデモでわかる!プライベート・クラウド構築セミナー http://www…

理論計算量と実際の計算性能

詳しくは添付の図を見ていただくとして、全米データでは 点数 n = 2400 万点, 枝数 m = 5800 万枝なので、優先キューなどを用いない原始的なダイクストラ法では計算量が O(n^2) になって、2400 万の二乗で計算量が計上される。一方、例えば 2-heap を用いた…

仮想マシン

現在、様々なイメージファイルを用意して仮想マシンを多用している。用途は以下のようになる。 1:SDPA などのサポートのため(動作確認、デバッグ) 2:スパコンなどは実際に借りて使うと課金されるので、仮想マシンでほぼ同じ環境(OS, コンパイラ)を作…

CentOS 5 (RHEL 5) での gcc 4.1.2

CentOS 5.x では、デフォルトの gcc のバージョンが 4.1.2 となっている。現時点では gcc は 4.4.3 までリリースされているが、4.1.2 とかなりバージョンの差が開いてしまったので、デフォルトの gcc 4.1.2 に加えて 4.4.3 もインストールした。最短路問題の…

論文の引用と不正行為

少し前の SIAM の記事に論文引用回数と不正行為などに関するものがあった。最適化の分野はまだまだ平和なもので、他分野では捏造、盗作など不正行為が横行しているところもある。ただし自分でも良いと思われる論文は引用回数が多い傾向があるのも確かなので…

Fedora 12 v.s. Fedora 12

以前に実マシンと仮想マシンの性能比較を何回か行ったのだが、両者のOSが異なっていたので、今度はOSを Fedora 12 で統一した。 ○計算サーバ CPU : AMD Opteron 8439 (2.80GHz / 6MB L3) x 4 (24コア) Memory : 128GB (32 x 4GB / 800MHz) gcc : 4.4.2 OS : …

もう一つの SDPA Online Solver

SDPA Online Solver は以下のリンクのように二箇所用意されている。 http://sdpa.indsys.chuo-u.ac.jp/sdpa/online.html 単なるミラーサーバではなく、システムにも大きな違いがあるので、興味のある方は New SDPA Online Solver (http://laqua.indsys.chuo-…

BeOS (HAIKU)

かつては OpenBeOS と呼ばれていた HAIKU だが、BeOS の再現を目標としていると言われる。かつては主流派の OS 以外にも Next や OS/2 などの楽しいマイナーな OS がたくさん存在した。VMware 上で最新の HAIKU を動作させたところ、写真のように最短路 Onli…

Intel Atom まとめ

これまでに Intel Atom (230 と 330) を用いて様々用途(特に数値計算)に用いてきた(OS は Windows と Linux)。 1: Intel Atom Z520 と Windows Vista Basic の組合せ(例えば SONY VAIO TypeP など)は、CPU の性能が低すぎて様々な作業に利用するのはかなり…

MAT 命令

(かなり)昔に作った BASIC のプログラムを見ていたら MAT という命令を使っていた。まさに MATLAB のような使い方ができる。以下のプログラムだけで行列積の計算が可能になっている。 100 DIM A(N,M), B(M,N), C(N,N) 110 MAT C = A * B その他にも以下の…

SDPA オンライン・ソルバー変更

久しぶりに SDPA Online Solver の SDPA を新しいバージョンに変更してみた。Online Solver は問題を解くというサービスのみを提供すれば良いので、ソースの配布等と比べると随分手間は少ない。やはりソフトウェアは何らかの形で公開する必要があるだろう。…

GPU コンピューティングと最適化

GPU の応用として金融シミュレーション(Real-time Options Valuation)があることは良く知られているが、日本ではあまり見かけないので GPU 業界の方に聞いたところ、金融の本場の国では相当数の GPU システムが稼働しているそうだ(しかも結構儲かっているら…

日本数学会 2010年度年会・市民講演会

以下の市民講演会の連絡が送られてきたので、宣伝を兼ねて掲載します。SCOPE 講演会 も前日にありますので、内容にあまり関連性は無いと思いますが、興味のある方は両方ご参加下さい。 市民講演会 日時: 2010年3月28日(日)14:00~16:30 …

SDPA 7.3.1 と ACML

実際に使うのは初めてだが、AMD Core Math Library(ACML) を試してみた。SDPA 7.3.1 を用いて GotoBLAS との比較実験を行った。両BLAS をリンクしたときの性能は同等になっている。 CPU : AMD Opteron 2435(2.6GHz / 6MB L3)x 2 Memory : 64GB(16 x 4GB /…

SDPA Ver.7 の論文について

SDPA Ver.7 も 7.3.1 までバージョンが進んで、ようやく系統的な実験と結果の発表まで来た。 A high-performance software package for semidefinite programs: SDPA 7 この論文は主に SDPA 7.3.1 と SDPA-GMP/QD/DD 7.1.2 に関する内容になっている(その他…

全米グラフに対する 1 対 全 最短路問題

最短路問題に対するダイクストラ法の実装に関して、2-heap, buckets, mbp(multi-level buckets) の比較実験を多数行った。その中の一部が添付の表になる。ダイクストラ法の実行時間(赤)と初期化(データ読み込み)の時間(青)とメモリ要求量(緑)につい…