SDPA の内部計算は基本的に double 型(倍精度 : 64bit)で計算を行っているが、実際には double では精度が足りないと思えるような実験結果が多数ある。そこで例えば4倍精度などに対応したらどうなるだろうかという疑問が湧く(精度と実行時間)。Java では小数点以下の桁数(スケール)を指定できるので、面倒だが SDPA を Java に移植するという作業を東工大の方でやってもらった。
SDPA の内部計算はいろいろとあるのだが、変数行列の逆行列の計算や Shur Complement 行列の計算などにスケールの値が 40 や 80 で計算を行うという実験をやっている。結論から言うと実行時間をあまり増加させることなく、全体の精度を上げることに成功している。ただし問題によっては効果が薄いので、この場合にはアルゴリズムやインスタンス(実行可能解があるのか)などを疑う必要もある。