Graph500
高性能計算コンピュータのランキングとして有名なTOP500で採用されているベンチマークとしてHPLやHPCG(Conjugate Gradient、共役勾配法)がある。 HPLとHPCGは、密行列もしくは疎行列を要素とする大規模な連立一次方程式を解くというベンチマークである。 しかし、近年では高性能計算コンピュータを用いて大量のデータ処理を行う需要が高まってきている。 そのような処理の性能の特性や必要とされるアーキテクチャの要件は、HPLやHPCGとは根本的に異なるため、新たな性能指標が必要になった[1]。
このような背景から、グラフ探査性能ベースのベンチマークに基づく性能ランキングであるGraph500が誕生した。 Graph500では性能指標として、TEPS(Traversed Edges Per Second 1秒間にたどるグラフのエッジ数)を用いる。 また、Graph500のベンチマークに対する電力効率を測るため、TEPSを消費電力で割った値(TEPS/W)を性能指標としたランキングGreen Graph500もある。 Graph500およびGreen Graph500は、毎年6月にドイツで開催される国際会議International Supercomputing Conference (ISC)と毎年11月に米国で開催される国際会議Supercomputing Conference (SC)で発表される。