某大学で研究費の不正使用が問題になっているが、聞いた情報では論文捏造?の疑惑もあるとか。最近他人の論文の数値実験結果が素直に信じられなくなってきた。発覚していないだけで今までも多くの結果捏造があったのではという疑いを捨てきれない。論文の査読などが来ても、ソフトウェアやデータ共に公開されていないのでは正確に論文の審査をするのは無理である。
いつもお世話になっているが、こちらのページに Hans Mittelmann の最適化ソフトのベンチマーク結果が載っている。SDPA などは特にアナウンスしなくてもバージョンアップするとダウンロードして実験結果を更新してくれる。Optimization Methods and Software, Vol.21(1), 2006 に掲載されているが、彼らのグループでは自動で実験してデータを取るという自動ベンチマークソフトウェアを開発したらしい。向こうではこういったソフトウェア作成やベンチマーク実験が評価される風土があるのだから、始めから日本とアメリカでは勝負にならない。日本でも海外のソフトウェアをダウンロードして使用しているだけでなく、たまにはお返しをしたらいかがだろうか。他の分野では海外で使用されている和製ソフトウェアも多いようだが最適化の世界ではかなり一方通行である。
今年のシンガポールでのシンポジウムで話題になったが、こういったベンチマーク結果を見ても結局どのソフトウェアが良いのかわかりにくいという意見があったが、そこがいろいろな意味で重要なのだと思う。そのために開発の比重を SDPARA に移動していったという事情がある。
このページのベンチマーク結果の中で Concorde-TSP に関する実験はなかなか面白い。