免疫力

一般にはあまり話題になっていないのかもしれないが、癌に対する単純ヘルペスウイルス療法というのがある。詳しくは以下の名古屋大学のサイトを見てもらうとして、以前から究極の癌療法とは免疫力の増大による癌細胞との共存と考えている私にとっては正統派の治療法ではと思う。
http://www.med.nagoya-u.ac.jp/surgery2/virus_therapy/HF10_therapy.html
現在研究中ということで、しばらく待たないと詳しいことはわからないのだが、少し上記のサイトから抜粋すると、
がんの治療にどうして単純ヘルペスウイルスを使うのか、どなたでも疑問に思われることでしょう。最初に単純ヘルペスウイルスとがん治療の関係を、歴史を振り返りながら説明いたします。
 がん患者が偶然ウイルスに感染し、そのウイルス疾患が軽快するとともにがんも縮小するということが、古くは1900年代の初めに報告されました。これは、狂犬病ワクチンを投与された白血病患者のなかに、がん細胞が減少したケースがあったというものでした。当初はそのメカニズムは不明でしたが、ウイルスが発見されさまざまな基礎研究がなされていく過程で、今回治療に用いる単純ヘルペスウイルスをはじめとするいくつかのウイルスにはがん細胞を殺す作用があることが発見されました。
 さらに研究が進むにつれ、もう一つ重要なことが分かってきました。それは、“免疫”に関係しています。ウイルス感染が起こったことによりひとのからだの中で免疫の働きが活発になり、そのなかでがんに対する免疫なども高まり、直接的あるいは間接的にがん細胞を壊したり食べたりしまうというのです。
こういった働きが分かってきた経緯の中で、ウイルスを用いた新しいがん治療に関する研究は進められてきたのです。
上記のようにあるのでこれも一種の免疫療法であると思う。通常免疫療法の効き目が悪いのは人間の免疫系が癌細胞を敵(異物)であると認識できないからであり、ウイルスを用いることによって免疫系が癌細胞を異物として認識できるようになるのかもしれない。
がんワクチンというと古くからハスミワクチンhttp://www.wis-j.org/がある。先代の蓮見理事長のときはがんはワクチンのみで治せるので、手術も抗ガン剤(昔は制ガン剤)も要らないと言っていたが、現理事長は、既存の療法と組み合わせる方針になったらしい。抗ガン剤とワクチンを同時に使用することで免疫系が癌細胞を異物として認識しやすくなるとのことで、理由はほぼ同じである。
近い内に全身に転移した癌でも、縮小させることによって共存できる日が来るのかもしれない。